バネ・マス系
1. 離散系
n+1 個のバネと n 個のマスからなる系 ↓ の運動を考える。
両端の壁の変位 \(u_0=u_{n+1}=0\)のときの平衡状態において、変位\(u_i\)が\(0\)となるように基準をとる。
1.1. ポテンシャル
\(u_i\) と \(u_{i+1}\) に挟まれたバネのポテンシャルエネルギーは、
\[ \phi_i = \f{1}{2}k(u_i-u_{i+1})^2 + \phi(a) \tag{1.1.1} \]
※ \(\phi(a)\) は定数
系全体のポテンシャルエネルギーは、
\[ \Phi(u_1,u_2,,,u_n) = \sum_{i=0}^{n} \f{1}{2}k(u_i-u_{i+1})^2 + \phi(a) \tag{1.1.2} \]
1.2. 運動方程式
ポテンシャルエネルギーから、運動方程式を導出する。詳細は解析力学参照。
\(u_i\) の運動方程式は、
\[ \begin{aligned} m\dd{}{t}u_i &= \pd{\Phi}{u_i} \\ &= \pd{}{u_i}\l\{\f{1}{2}k(u_{i-1}-u_i)^2+\f{1}{2}k(u_i-u_{i+1})^2\r\} \\ &= -k(u_{i-1}-2u_i+u_{i+1}) \end{aligned} \tag{1.2.1} \]
1.3. 固有方程式
\[ \bm{u}=\begin{bmatrix} u_1 \\ u_2 \\ : \\ u_{n-1} \\ u_{n} \end{bmatrix} \tag{1.3.1} \]
\[ A=\begin{bmatrix} -2 & 1 & & & \\ 1 & -2 & 1 & & \\ & 1 & -2 & 1 & \\ & & 1 & -2 & 1 \\ & & & 1 & -2 \\ \end{bmatrix} \tag{1.3.2} \]
とおくと、\((1.2.1)\)は、
\[ m\dd{}{t}\bm{u}=-kA\bm{u} \tag{1.3.3} \]
\[ \l(\dd{}{t}+\f{k}{m}A\r)\bm{u}=\bm{0} \tag{1.3.4} \]
1.4. 外力がある場合
\(i\) 番目のマスに外力 \(f_i(t)\) をかけた場合、\((1.2.1)\) は、
\[ \begin{aligned} m\dd{}{t}u_i &= f_i(t) + \pd{\Phi}{u_i} \\ &= f_i(t) - k(u_{i-1}-2u_i+u_{i+1}) \end{aligned} \tag{1.4.1} \]
\((1.3.4)\) は、
\[ \l(\dd{}{t}+\f{k}{m}A\r)\bm{u}=\f{\bm{f}(t)}{m} \tag{1.4.2} \]
と書き換えられる。
1.5. *定数がバラバラの場合
質量 \(m_i\) バネ定数 \(k_i\) がバラバラの場合、\((1.1.2)\)は、
\[ \Phi(u_1,u_2,,,u_n) = \sum_{i=0}^{n} \f{1}{2}k_i(u_i-u_{i+1})^2 + \phi(a) \tag{1.5.1} \]
\((1.2.1)\) は、
\[ \begin{aligned} m\dd{}{t}u_i &= \pd{\Phi}{u_i} \\ &= \pd{}{u_i}\l\{\f{1}{2}k_{i-1}(u_{i-1}-u_i)^2+\f{1}{2}k_i(u_i-u_{i+1})^2\r\} \\ &= -k_{i-1}(u_{i-1}-u_i)+k_i(u_i-u_{i+1}) \end{aligned} \tag{1.5.2} \]
と書き換えられる。\((1.3.4)\) は、
\[ K=\begin{bmatrix} -k_0-k_1 & k_1 & & & \\ k_1 & -k_1-k_2 & k_2 & & \\ & k_2 & -k_2-k_3 & k_3 & \\ & & k_3 & -k_3-k_4 & k_4 \\ & & & k_4 & -k_4-k_5 \\ \end{bmatrix} \tag{1.5.3} \]
\[ M=\begin{bmatrix} m_1 & & & & \\ & m_2 & & & \\ & & m_3 & & \\ & & & m_4 & \\ & & & & m_5 \\ \end{bmatrix} \tag{1.5.4} \]
を用いて、
\[ \l(\dd{}{t}+KM^{-1}\r)\bm{u}=\bm{0} \tag{1.5.5} \]
と書き換えられる。
外力がある場合は、
\[ \l(\dd{}{t}+M^{-1}K\r)\bm{u}=M^{-1}\bm{f}(t) \tag{1.5.6} \]
1.6. 線形微分演算子
\((1.3.4)\) を解きたい。
連続系
まとめ
関数とベクトル、微分演算子と行列、微分方程式と固有方程式は対応する概念である